不要なナースコールの悩み

看護師の心得として、よく言われるのが
「患者さんの訴えはどんなに些細なことであっても傾聴すべき」という戒めです。
そして多くの看護師がこの戒めを叩き込まれ、そうあろうと努力をしています。


しかし、現実には「寂しい」「不安だ」という心の声よりも
急変の患者さんの対応などより緊急度の高いものを優先させるしかありません。


このスローガンは、確かに立派な戒めで正論ではありますが
実現するのはとても難しいものです。
ですから、この戒めは大原則ではあるけれども
時々振り返るべき戒めとして心にとどめておくだけで良いと思います。


そこで、できることと言えば、先回りしてケアすることしかありません。
もちろん全てを先回りすることはできませんが
1日のタイムスケジュールを考えて患者さんごとに
訪室のタイミングを調整するなどで、回数は少しだけ減らせるかもしれません。


この問題を解決するためにも、少し現実的な目線で見てみましょう。
もし人手が増えて、ナースコールにも常に余裕を持って応じられるなら
看護師はナースコールに追われなくなり、患者さんの要望にも全て応えられるでしょうか?


たぶん、人手が増えれば患者さんへのケアは今以上に手厚くできるようになると思います。
しかし、また別の悩みができるのではないでしょうか?


患者さんはなんとしてでも病気を治したいと考えますから
医療技術が発達するにつれて、自分の病気が治らないということが
受け入れ難くなってきているように思います。
そのため、病気がなかなか治らない患者さんはイラだち
些細なことに腹を立ててナースコールを押してしまうのです。


人手不足が全ての原因ではありません。
もし人手が十分に足りていても、きっとまた別の不満が生まれます。
確かにゆとりは必要です。
でもそれは、患者さんのためにというよりは看護師のためにでしょう。


人生には思い通りにならないものだと考えると
人を思いやる気持ちがゆとりに繋がるかもしれません。